ロッタの映画日和

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ペルセポリス

ロックとユーモアと ちょっぴりの反抗心を胸に

1970年代から90年代のイランを舞台に、少女マルジとその家族の生き様を描いた映画です。
監督の半生を元に作られました。
アニメーションながらカンヌで絶賛を浴び、製作国フランスを中心に大ヒットを記録しました。
ボイスキャストも豪華です。
主人公マルジをキアラ・マストロヤンニ、ママは名女優カトリーヌ・ドヌーヴと実生活と重なり、おばあちゃん役は『8人の女たち』でドヌーヴの母親役を演じたダニエル・ダリューが努め、華を添えています。
たとえどんなことがあろうとも自分を取り戻し、、個性豊かで愛情あふれる家族愛には胸を打たれます。
中でも印象的なのがおばあちゃん。
毒舌だけれど彼女の強い意志と正義感は、マルジに大きな影響を与えます。
「常に公明正大であれ」
マルジは、ママから自由主義とおばあちゃんの勇敢さを受け継ぎ成長していくのです。

マルジが生まれた当時のイランは、国王が国を治める王国でした。
その昔、ペルシアと呼ばれた誇り高い伝統を持つイランに、暗雲が漂い始めたのは1978年頃のこと。
王政に反発した学生のデモが全国に飛び火し、怒りや憎悪がうねりが押し寄せ、国王は亡命。
王国は事実上崩壊しました。
そして、国外に逃れていた宗教指導者が帰国し、革命政府を発足させるのです。
大きな国王の銅像を倒す様は、ロシアを思い出させます。
広場で歓喜の声を上げる市民達。
革命が、自分達を幸せに導いてくれるはずでした。

イスラム色が色濃くなったイランでは、一切の自由を厳しく取り締まる恐怖政治の国になっていきました。
学校では男女別、女性は深くベールで身を隠し、ひたすら大人しく。
やがてイラクとの戦争が始まり、外では日本でいうところの”特高”に、家では空襲に怯える生活を余儀なくされるのです。
マルジの家族も、もとの快活さを失い落ち込む一方。
元気なのはマルジひとり。
そんな家族のもとに、反政府主義者だったおじさんが帰ってきました。
革命を機に、久々の再会を喜ぶ家族。特にマルジはおじさんに懐いて慕ってしまいました。
新政権はどんどん市民の自由を奪っていき、おじさんは政府に投獄され処刑されてしまうのです。
世の不条理さを目の当たりにした少女は、禁止されている音楽を聴き、学校でも街でも反発の行動を繰り返していきます。
マルジの将来を案じた両親は、この国から彼女だけを国外へ逃がそうとウィーンに留学させました。
ウィーンでの生活は、恋も好きな音楽も楽しめる別世界。
最初は自由だと感じたものの、やがて倦んでいったマルジは、憧れでもあった西洋社会から別れ、再びイスラム社会で生きていく決意をします。
心細くなったマルジが電話で「帰ってもいい?」というと、パパが優しく「帰っておいで」と囁きかける声が心に沁みました。
マルジにとって大切なものは、自由よりもっと他にある。
あんなに欲した自由より、家族や生まれ育った国で、自分らしさを忘れない。
おばあちゃんの「公明正大に」の言葉を胸に。
社会の矛盾、抑圧にも屈せず、自分を損なわず人生に立ち向かう勇気を持って、マルジは成長し続けるのです。

ニュースでは見てもあまり馴染まないイラン。
革命は本当に自由と豊かさをもたらすのか、隣国イラクやドイツ、ロシアを見ても疑問がいっぱいです。
イスラム教は、危険な思想として世界中から思われてもいるだけに、革命後のイラクは恐怖以外のなにものでもない国になっています。
日本から見ているだけの私は、憤りながらもただの傍観者に過ぎず、理解という言葉もおこがましいとさえ思うのです。
マルジは監督自身です。体験し、感じたこと、好きなこと、愛する家族がいたからこそ、あんなにも勇敢になれた。
アニメだからこそ描けたのかもしれない、素晴らしい映画になっています。
機会があれば、観て下さい。


公式サイト
http://persepolis-movie.jp/
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Comment

 

カトリーヌ・ドヌーヴも出ていたのか。“シェルブールの雨傘”から、もう何年経つかな?
イランの国王と言うのは、パーレビ国王の事だね。なかなか国民に評判が良くて、当時は今と違ってアメリカとの関係もとても良くて、今より遙かに自由で闊達な国だったんだけどね。宗教を否定する気は全く無いけど、何事も程々にしないとね。
「公明正大に」、とても大事なことだけど実際には厳しいな~。

  • posted by shoichi 
  • URL 
  • 2008.02/27 17:47分 
  • [Edit]

懐かしい~ 

ドヌーブは最近も精力的に映画に出てますね。いろんな映画で見かけます。
「公明正大に」とは、確かに難しいことですが、自分自身を励ます大切な言葉として映画の中では使われてます。
特にこうした革命の起こってる状況では、何を信じて良いのかわかりませんものね。
  • posted by Lotta@管理人 
  • URL 
  • 2008.03/20 23:16分 
  • [Edit]

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